保湿
様々な化粧品原料をご紹介します。
化粧品には、化粧品の土台をつくる成分、品質保持のための成分、美容成分が含まれています。自分に合った肌悩みの「美容成分」が配合されいている化粧品を使用して、美肌を目指しましょう。
※化粧品原料の代表的な効果に分けて紹介していますが、カテゴリ以外の効果がある原料もたくさんございます。
保湿成分の種類
肌の表面に浸透される水の量はおおよそ決まっています。
成分によって保湿の仕方は様々ですので、自分に合った保湿成分を使い分けるのがポイントです。
ヒアルロン酸Na
保湿 シワ
ニワトリのトサカから抽出されたり、微生物による発酵法で製造されたりしている、白色の粉末です。ごく微量でも水に溶けるととろみが出ます。
真皮に多量に存在し、規則的に配列したコラーゲンとエラスチンの繊維間を充たし、水分を大量に保持することで、皮膚に弾力性と柔軟性を与えます。また、表皮でも真皮の約半分量の存在が確認されています。ヒアルロン酸Naは1gで2~6Lの水を保持力があるといわれています。この保水性は即効性があり、さらに保護膜を形成するため、しっとりとなめらかな質感を与えます。さらに、皮表柔軟化および保護膜形成による保湿作用が認められています。
加水分解ヒアルロン酸
保湿 シワ
ヒアルロン酸を分解して小さくしたもので、「浸透型ヒアルロン酸」ともいわれています。角質層への経皮吸収性や角質層深部までの浸透性が認められており、角質層水分量増加や水分量保持による保湿作用があります。ヒアルロン酸Naと比べて非常に水に溶けやすく、ヒアルロン酸Naと同等の保湿力が期待できます。
加水分解コラーゲン
保湿 シワ
コラーゲンは身体の様々な組織に欠かせない成分です。お肌では、真皮の構成成分として働き、肌にハリや弾力を与えます。加齢により変性したり量が減ったりするので化粧品などで肌への生成を促す必要があります。加水分解コラーゲンは分子が小さいコラーゲンで、角層内部まで浸透し、角層の水分保持や水分蒸発を抑制させます。また、コラーゲン産生促進やヒアルロン酸産生促進作用があり、肌のハリや弾力を高める効果があります。加水分解コラーゲンにビタミンC誘導体を併用することでコラーゲン産生促進作用が顕著に増強することも認められています。
セラミド
保湿 シワ
セラミドは、細胞間脂質を構成する重要な成分です。角層内部の水分保持や、化学物質や雑菌などの皮膚内への侵入を防ぐ角層のバリア機能を強化します。もともと肌にあるセラミドは、加齢や過度な洗顔などによって角質での含有量が減少し、バリア機能が低下したり乾燥や肌荒れを起こしたりします。セラミドを化粧品で補うことで、乾燥肌や敏感肌の改善したりする効果があります。
スクワラン
保湿 シワ
鮫の肝臓に含まれている肝油から取り出した動物性のものと、オリーブ油やコメヌカ油などから抽出された植物性のものがあります。皮膚に対する浸透性が良く、サラッとべたつきがない特性があり、水分保持機能を有しています。そのままでマッサージ用オイルとしたり、クリームなどの感触改良のために使われています。医薬品においても、軟膏基剤や座薬基剤としても良く使われています。
水溶性プロテオグリカン
保湿 シワ エイジング
化粧品推奨配合濃度 0.1%(pH2-9) |
プロテオグリカンは、糖タンパク質でグルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸など有名な成分を構成要素とする、細胞の間や真皮、軟骨に多く含まれている成分で、別名「美肌スイッチ」とも言われています。プロテオグリカンは、糖タンパク質でグルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸など有名な成分を構成要素とする、細胞の間や真皮、軟骨に多く含まれている成分です。
EGF様作用
EGFは「上皮細胞増殖因子」と呼ばれ、細胞の成長と増殖の調達に重要な役割を担っています。ヒトにおいても年齢を重ねるごとにEGFは減少することが判明しており、このため新陳代謝や細胞の再生能力が衰えると考えられています。
国立大学法人弘前大学の高垣敬一博士の研究により、サケの鼻軟骨から抽出されるプロテオグリカンにはEGF様作用があることが明らかになりました。(特許第51942535より引用)
特長
・高い保水力、保湿効果(ヒアルロン酸、I型コラーゲンの産生促進)
・肌荒れ、ニキビ、肌弾力、シワ改善効果
・美白効果(メラニン生成抑制、色素沈着改善)
・創傷治療作用
リピジュア
保湿 皮膚バリア 抗炎症
表示名称 ポリクオタニウム-51 化粧品推奨配合濃度 0.1~10%(pH4.0-6.0) |
ヒトの細胞膜を構成し涙にも含まれる成分「リン脂質」をモデルに開発された高機能性ポリマーです。ポリクオタニウム-51はスキンケア用の化粧品原料として多数の実績があります。
皮膚保湿剤(乾燥からの防御)
ヒアルロン酸の2倍の保湿性を示し、皮膚内の水分保持をコントロールします。また、水洗い後皮膚に残留し、保湿性を発現します。
刺激・環境ストレスの緩和
AHA(フルーツ酸)の刺激を大幅に低減や肌荒れ改善効果があります。
アセチルヒドロキシプロリン(AHP)
保湿 シワ たるみ 抗アレルギー
表示名称 アセチルヒドロキシプロリン 化粧品推奨配合濃度 1~5 % |
アセチルヒドロキシプロリンは、コラーゲンに特有のアミノ酸であるL-ヒドロキシプロリンをアセチル化処理したものです。アセチル化処理により、L-ヒドロキシプロリンのもつコラーゲン合成促進、細胞増殖効果などの特性を兼ね備えつつ、高い経皮吸収性と保湿性をもち、皮膚のはり、弾力性を増加させ、皮膚の柔軟性を改善させるなど、皮膚の老化防止に非常に効果的です。
特長
・高い経皮吸収性
・皮膚セラミド量を増加
・皮膚の柔軟性を改善
・アトピー皮膚炎の緩和
・線維芽細胞におけるコラーゲン合成促進
・皮膚状態を改善
・皮膚の弾力性を改善
・しわの改善
・表皮ケラチノサイトの増殖
プロリンとビタミンC
真皮にあるコラーゲンやエラスチンの保水能力・弾力を決めるのは、これらを構成するタンパク質がいかに複雑な3D構造をとっているかです。その3D構造を組み立てるのに重要なアミノ酸の一つがプロリンです。プロリンのヒドロキシル化(-OH付加)はタンパク質において重要で、「プロリンヒドロキシル化酵素」により、ヒドロキシプロリンとなり、特にコアラーゲンの分子内架橋結合にとって必要不可欠な分子となっています。プロリンが不足すると質の良いコラーゲンを作ることはできません。
ところで、「ビタミンCはコラーゲンを産生させる」とよく聞きますが、ビタミンCの役割を正確に記すと、「プロリンヒドロキシル化酵素の活性中心にある鉄をビタミンCが還元し、酵素が再利用できる状態に戻す」ことです。つまり、ビタミンCが欠乏すると、この酵素を再利用できず、プロリンのヒドロキシル化反応の不足が起ります。すると、不完全なコラーゲンが生成します。ご存知の通り、壊血病の病状です。このように、ビタミンCとプロリンはベストカップルで、アセチルヒドロキシプロリンと一緒にビタミンC配合の化粧品を使い、効率良く美肌を目指しましょう。
アロエベラ葉エキス
保湿 ニキビ 肌荒れ
ユリ科植物アロエベラの葉から得られるエキスで、古くから様々な効果があるとして使われています。アロエベラ葉エキスに皮表柔軟化および角層水分量増加による保湿作用が認められています。また、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌・抗菌し、できてしまったニキビの炎症を抑える効果もあります。紫外線による日焼けで炎症を起こしてしまった時にも効果的です。
クズ根エキス、クロレラエキスと併用
メラニン生成抑制や線維芽細胞増殖促進などプラセンタ様作用を発揮します。