【美肌のメカニズム】ホルモンバランスとお肌 02
女性ホルモンの特徴
では、2種類の女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の特徴と肌への作用についてみていきましょう。
卵胞ホルモン(エストロゲン) | 黄体ホルモン(プロゲステロン) | |
特徴 | 月経(生理)開始とともに増加、排卵とともに減少、排卵後に再び増加。妊娠にむけて卵胞の発育や子宮内膜を厚くする。骨形成にも重要な働きをする。 | 排卵後から増加。受精卵が着床しやすい状態になるように働く。基礎体温を上昇させたり、体内の水分を保持する働きもある。 |
肌への作用 | コラーゲンを増やして肌にハリを出す。また、抗酸化作用を強める。 | 皮脂分泌が活発になり、ニキビの原因へ |
生理周期とお肌の関係
女性の肌は生理周期に合わせて、変動していきます。エストロゲン分泌が多いのは、生理が終わってから排卵日までの期間です。この期間はお肌にとって安定し肌の調子が良いですが、これ以外の期間や生理周期が乱れると肌荒れやニキビができやすくなります。また、エストロゲンは生理の始まる思春期から増え、30代後半から減りはじめます。50代前後の閉経を迎えるころには急激に低下し、お肌のハリや潤いも失われがちです。さらにストレスによるホルモンの変調によってシミもできやすくなります。
女性ホルモン様作用成分を配合した化粧品で補う
女性ホルモンの減少が気になったら、“女性のゆらぎ肌をコントロールするエストロゲンのような働きをする、女性ホルモン様作用がある原料配合のスキンケア”を使いましょう。
01. エストラジオール
ニキビ 保湿 シワ たるみ 肌荒れ
女性ホルモンの一つである卵胞ホルモン(エストロゲン)の一種でエストラジオールの誘導体です。主に医薬品として使用されますが、化粧品にも使用できる原料です。細胞の新陳代謝を活発にすることにより、ダメージを受けたお肌を修復・再生し、老化防止を期待することができます。エチニルエストラジオールの効果は、その働きから「抗男性ホルモン効果」と呼ばれています。
02.ダイズ種子エキス
美白 シワ 保湿 ニキビ
マメ科植物ダイズの種子から抽出される植物エキスで、緩和な女性ホルモン様効果が認められているイソフラボノイド(イソフラボン)の含有が特徴とされています。チロシナーゼ活性阻害による色素沈着抑制作用や、コラーゲン合成促進による抗老化作用、角質層の水分増加、皮脂分泌抑制作用が期待できます。
03.プエラリアミリフィカ根エキス
美白 シワ たるみ 保湿
プエラリアは、ミャンマーやタイ北部に自生するマメ科の植物プエラリアミリフィカの根塊(イモ)の抽出されたエキスです。女性ホルモンに匹敵するミロエステロ-ルというエストロゲン活性をもつ成分を含み、イソフラボン含量は大豆の数十倍ともいわれています。メラニン生成抑制作用や、ホルモンバランスを整えシワやたるみの改善、保湿効果を期待することができます。化粧水やクリーム、バストケア商品としても使用されています。
04.ヒオウギエキス
美白 シワ 肌荒れ 保湿
アヤメ科植物ヒオウギの根茎から抽出される植物エキスで、女性ホルモンと類似する働きを持っています。コラーゲン合成促進により保湿力が高まり肌にハリやツヤを改善させます。また肌質の改善効果でニキビ、湿疹、肌荒れなどの改善も期待できます。
05.ザクロエキス
美白 抗酸化 シワ たるみ シミ 肌荒れ 保湿
ザクロは女性の健康維持に有益であるとして古くから食用されている日本でもなじみの深い植物であり、エストロゲンに似た成分を含み女性のホルモンバランスに働きかける作用を持ちます。ザクロエキスはビタミンCやエラグ酸といった美白成分も豊富で、シナーゼ活性阻害し、メラニン色素の沈着を防ぎます。また、抗酸化作用のあるポリフェノールも豊富に含んでいるので、たるみやシワ・シミなどの老化の原因となるトラブルから遠ざけます。さらに、皮膚や粘膜の炎症を予防するビタミンB2やナイアシンも含み、ニキビや肌荒れなどの肌のトラブルを未然に防ぐ効果もあり、アレルギー性皮膚炎の症状を改善する成分としても用いられています。
監修:コアフロント商品開発M
大学院まで6年間生体医工学について勉強後、コアフロント株式会社のコスメ事業部に入社。日本化粧品検定1級、化粧品成分検定1級取得。新商品から既存の商品の改良、クリニック独自のオリジナル化粧品の処方製造や営業を担当。皮膚科の先生の声を聞きながら商品に触れることができるため、視野が広がりより良い商品ができていると実感。今後も安心して使い続けられる、また日々変化する環境に合わせた効果実感の高い商品開発を目指し研究を重ねている。
この記事へのコメントはありません。