【美肌のメカニズム】ホルモンバランスとお肌 01
年齢とともに減少すると言われている成長ホルモンと女性ホルモン。そもそも、どんな働きをしていて、どのように工夫すれば分泌を促進できるのでしょうか。今回は、これら2種類のホルモンの役割について詳しく解説します。
ホルモンとは
ホルモンは、身体の働きを調整する重要な物質で、臓器で合成され血液にのって運ばれます。ホルモンの影響を受け、骨や筋肉の成長・エネルギーの代謝・血圧・食欲や食物の消化などが体内で行われています。血液中のホルモンは、50mプールいっぱいの水に対しスプーン1杯程度の割合の量で効果を発揮します。ホルモンは多すぎても少なすぎても健康に影響があらわれます。
その中でも肌に影響を及ぼすホルモンが「成長ホルモン」と「女性ホルモン」です。分泌量は両方とも、40代以降の女性では減少傾向にあります。
成長ホルモンについて
脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつで、睡眠時に脳や身体、お肌が日中に受けたダメージ・疲れなどを修復し、回復させる機能をもっています。
成長ホルモン分泌の流れ
成長ホルモンの生涯分泌パターン
身体が成長する小児期では、成長ホルモンは夜中の睡眠中に多く分泌されます。思春期前の分泌量を100%とすると、思春期後期ではその2倍ぐらいに変動しますが、成人後は次第に減り、30~40代では50%、60歳代では30%くらいになるといわれています。成長ホルモン分泌は睡眠や運動、ストレスで促進され、加齢や肥満で低下します。
お肌のゴールデンタイム
成長ホルモンは、就寝後最初に訪れた深い睡眠の時に分泌されます。最も深い睡眠とは、体内時計と同調して働く睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されている際でないと発生しません。例えば、昼寝で熟睡したと思っていても、昼間にはメラトニンは分泌されにくい傾向にあります。つまり、最も深い眠りに到達することは少なく、成長ホルモンの分泌に効果的とは言えません。メラトニンの分泌量が多くなるのは深夜1〜3時です。この時間には深い眠りに入っている状態をつくりましょう。熟睡感が得られるような質の良い睡眠をとっていると食欲中枢が整い、正しい食生活ができるようになり、身体の代謝も良くなります
女性ホルモンについて
女性ホルモンには、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と黄体ホルモン(プロゲステロン)」があります。
「卵胞ホルモン(エストロゲン)」は卵巣から分泌されます。そして、線維芽細胞を活性化させて肌の弾力を保つコラーゲン線維やヒアルロン酸の生成を促進し、表皮細胞に働きかけ肌の水分を保持する作用があります。また、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」は、排卵後に分泌されるもので、皮脂分泌を増やしニキビをできやすくさせたり、むくみのもとになったりと肌に不調をもたらします。
監修:コアフロント商品開発M
大学院まで6年間生体医工学について勉強後、コアフロント株式会社のコスメ事業部に入社。日本化粧品検定1級、化粧品成分検定1級取得。新商品から既存の商品の改良、クリニック独自のオリジナル化粧品の処方製造や営業を担当。皮膚科の先生の声を聞きながら商品に触れることができるため、視野が広がりより良い商品ができていると実感。今後も安心して使い続けられる、また日々変化する環境に合わせた効果実感の高い商品開発を目指し研究を重ねている。
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